1.安産祈願に腹帯は必要?
1-1. なぜ安産祈願といえば「腹帯」?
1-1-1. 「帯祝い」に由来
日本には古来より、妊娠5ヶ月目のはじめの戌の日に「腹帯」を締める「帯祝い」という風習がありました。
帯祝いが現在の安産祈願のルーツともいわれるため、腹帯は安産祈願の象徴的なアイテムとなっています。
さてこの「腹帯」ですが、その起源は古く、『古事記』『日本書紀』によると神功皇后の故事にあるとされ、
・・・紀元後3世紀頃、朝鮮半島にある新羅征伐に行くとき、神功皇后は出産しそうになったので、そこで腰帯に小石をはさんで陣痛を鎮め、帰国後無事元気な男の子(後の応神天皇)を出産したという話が記されており、これが、腹帯の最初というわけである(出典:「日本人の子産み・育て」p. 50)
このおめでたいエピソードにあやかり、安産祈願には腹帯とともにご祈願をしてもらう、ということが一つのしきたりになったのです。
なお、「はらおび」とも読みますが、妊婦さんが巻く場合は特に「ふくたい」と読みます。
1-2. 腹帯をどうやって手に入れる?なくても祈願できる?
1-2-1. 神社の授与品としていただく
安産祈願で有名な神社であれば、腹帯を安産祈願の授与品として神社からいただくことができます。
授与品は神社のホームページで紹介されているところもありますので、事前に確認してみましょう。
1-2-2. 自分で購入して持って行く
神社の授与品として腹帯がない場合、もしくは自分で好みのものが欲しい場合は、事前に自分で購入して持参することもできます。
1-2-3. どうしても使わない場合はなくてもOK
どうしても腹帯が不要であると考えられる場合は、なくてもご祈祷を受けることは可能です。
しかし、歴史的には安産祈願と腹帯は深い関係があり、腹帯は安産祈願の象徴的なアイテムともいえます。
ご祈祷をしてもらった腹帯を着用することで、安心感にもつながるでしょう。
2.腹帯の種類と選び方
2-1. どんな種類がある?使い方は?
(出典:犬印妊婦帯 | マタニティウェアは犬印本舗【公式】)
2-1-1. さらしタイプ
さらしタイプの腹帯とは、さらしを素材とした帯状のものを指します。
もともと「さらし」という言葉は、「布を日に当てて干すこと」を意味していました。そこから転じて、布を白くする作業や、白く仕上げられた木綿や麻の布そのものを指すようになったのです。
このさらしタイプの腹帯は、自分でお腹に巻いて使います。
お腹の大きさに合わせて調節することができるため、まだそこまで大きくない妊娠中期の頃から、大きくなる臨月の頃まで長い期間使うことができます。
2-1-2. 腹巻タイプ
腹巻タイプの腹帯は、筒状の腹巻型の腹帯です。
腹巻と同じように着用します。
綿素材が多く、締め付け感も少なく楽なため、家のリラックスタイムや就寝時におすすめです。
2-1-3. パンツタイプ
パンツタイプの腹帯は、ショーツ型をしています。
足さばきがよくすっきりとしたシルエットであるため、お仕事や外出のときや、ズボンを履くときにおすすめです。
2-1-4. サポートベルトタイプ
サポートベルトタイプは、お腹を支えるための幅の広いベルト型の腹帯です。
しっかりと支えてくれるタイプのため、おなかが大きくなってくる妊娠中期以降の使用がおすすめです。
マジックテープのベルトのため、簡単に着用することができます。
2-1-5. 骨盤ベルト
骨盤ベルトは、妊娠中のゆるみがちな骨盤まわりをサポートして、腰の負担を和らげるベルトです。
他の腹帯はお腹全体をカバーする一方、骨盤ベルトは骨盤周りを一周するものです。
出産後にも使用できるものもあり、着用することで骨盤の戻りを助けてくれます。
▼おすすめの腹帯の選び方についてはこちらの記事で解説しております 【画像あり】腹帯のおすすめ商品がみつかる!有名5ブランドの特徴や神社授与品を徹底調査 | このはな手帖 | 産泰神社 |
2-2. 安産祈願におすすめな腹帯は?
2-2-1. 自分にあったものを選んでOK
安産祈願に腹帯を持参する場合は、自分に合ったものを選んで大丈夫です。特にタイプの指定はありません。
なお、神社で授与される場合は、さらしタイプもしくは腹巻タイプが多いです。
2-2-2. 朱印を押す場合は、綿の薄い色がおすすめ
安産祈願を受けた印として、腹帯に朱印を押してくれることがあります。
このような場合は、「さらしタイプ」もしくは「腹帯タイプ」の白や薄いピンクなど、朱印を押せる素材のものを選ぶとよいでしょう。
パンツタイプは下着っぽさあるため人前で出しずらかったり、サポートベルトタイプや骨盤ベルトは色が黒、素材がナイロンやポリエステルの場合が多いので、避けるのが無難です。
3.腹帯の持参方法
3-1. 腹帯をどうやって持って行く?
3-1-1. 袋に入れる、風呂敷に包む
腹帯を持参する場合は、紙袋や布袋に入れたり、風呂敷に包むなどし、中身が見えないように持って行くと安心です。
特に決まりはありませんが、新品の場合は、販売時に梱包されているビニールや箱からは出しておくとよいでしょう。
3-1-2. 着用していく
安産祈願の当日、お腹に腹帯を巻いてご祈祷を受ける方法もあります。
神社で着用することは難しいので、家で準備していきましょう。
3-2. 何枚持って行く?
3-2-1. 特に決まりはない
安産祈願の象徴としての腹帯という意味で、1枚あれば十分です。
しかし、今後使う予定のものが複数枚あり、それらも一緒にご祈祷してほしい場合は、特に上限はありません。
4.2人目の安産祈願の場合
4-1. 1人目の妊娠時と同じ腹帯を使ってもいい?
4-1-1. 全く問題ない
1人目の妊娠時に使った腹帯を大切に保管しており、2人目の時も使いたいという方もいらっしゃるでしょう。
このような場合、1人目の妊娠時と同じ腹帯を使って、全く問題ありません。
5.使い終わった腹帯の扱い方
5-1. 使い終わった腹帯をどうする?
5-1-1. 神社に返納する
安産祈願で授与された腹帯は、出産後のお宮参りの際などに、感謝の気持ちを込めて神社に返納することができます。
安産祈願でお参りした神社とは別のところでもお納めすることができます。ただし、神社とお寺は別の宗教ですので、神社でいただいた腹帯をお寺に、またはその逆は控えましょう。
ご自身で購入された市販の腹帯についても、安産祈願でお祓いをしてもらったものであれば神社にお納めすることができます。
5-1-2. 手元にそのまま保管しておく
妊娠期間を共にした腹帯に思い出がある、という場合は、そのまま手元に残し大切に保管しておくこともおすすめです。
腹帯をとっておけば、2人目以降の妊娠時にも使用することができます。
5-1-3. リメイク
さらしタイプの腹帯は1本の帯状のさらしですので、様々なアイテムにリメイクすることもできます。
肌着やスタイをはじめ、ワンピースや甚平、登園かばんにも活用できます。
ハンドメイドや裁縫が得意な方はご自身で、自身のない方はセミオーダーで依頼することも可能です。
思い入れのある腹帯を、赤ちゃんが生まれてからも活用できる嬉しい方法ですので、気になる方は是非検討してみましょう。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
安産祈願といえば「腹帯」というほど、象徴的なアイテムである腹帯。
腹帯は、神社から授与品としていただく、もしくは自身で購入して持参するケースがあります。
持参する場合は、見えないように紙袋や布袋に入れたり、着用していきましょう。
出産が終わった後は、神社に返納しても、おうちで大切に保管しても、リメイクしても構いません。
安産祈願をする際は、是非腹帯と一緒にご祈祷を受け、妊娠中のお母さんの健康と、子どもの無事の出産を祈りましょう。
よくある質問
[質問]安産祈願は妊娠5ヶ月目の戌の日に行かなければならないでしょうか? |
[回答]伝統的には妊娠5ヶ月目の戌の日に行うことがしきたりとされていますが、最も重要なのは妊婦さんの体調です。無理をせず、体調の良い日に参拝することが大切です。妊娠5ヶ月目を過ぎても問題なく、安産祈願には期限がないので安心してください。 |
[質問]戌の日に行けない場合、別の日でも問題ありませんか? |
[回答]問題ありません。体調の良い日や家族が揃う日を優先して選びましょう。 |
[質問]六曜を気にする必要がありますか? |
[回答]六曜は神道とは関係がないので、気にしなくて大丈夫です。ただし、気になる場合は大安など縁起の良い日を選ぶと良いでしょう。 |