産泰神社 安産祈願

安産祈願や神社のことについて、神職が綴ります。

このはな手帖

【ご祈祷の前に必見!】神社でのご祈祷とは?ご祈祷の種類やご祈祷の流れ・マナーを解説

【ご祈祷の前に必見!】神社でのご祈祷とは?ご祈祷の種類やご祈祷の流れ・マナーを解説

ご祈祷と聞くと、安産祈願や七五三、新車のお祓いなどのイメージがあるかと思います。

しかし、いざ実際にご祈祷を受けようとしても「神社の前で手を合わせることとどう違うの?」「ご祈祷のマナーは?」などとよくわからないことが多いのではないでしょうか。
ここでは神社で受けられるご祈祷の種類や、実際にご祈祷を受ける際の流れ・マナーを紹介します。

1. ご祈祷とは

1-1. より丁寧なお参り方法

神職

ご祈祷とは、社殿に上がって神職に祝詞を読んでもらい、神様にお願い事を伝える儀式をいいます。「昇殿参拝」や「お祓い」ともよばれます。

ご祈祷では、神職がそれぞれのお願いごとに合わせた祝詞を読み上げたのち、玉串をお供えして拝礼を行い、最後にお札・お守りなどの授与品をいただきます。

神社の前でお賽銭を入れて手を合わせるお参りに比べ、より丁寧なお参りの方法です。

1-2. ご祈祷・ご祈願は同じ意味

ご祈祷と似た言葉でご祈願という言葉があります。ご祈願もご祈祷と同じく、神さまにお願い事を伝える儀式の意味です。

神社によっては、ご祈祷は儀式のことを差し、ご祈願はお願い事そのものを意味する言葉として使い分けている場合もありますが、どちらも意味は同じです。神社でご祈祷を申し込む際は、どちらを使っても構いません。

2. ご祈祷の由来は?

2-1. ご祈祷はもともと国のための儀式

ご祈祷はもともと、国の平和や五穀豊穣を願う、公共の儀式でした。
奈良時代には神祇令といわれる決まり事が制定され、全国の神社では国のために五穀豊穣と日々の平和な生活を祈ること(祈祷をすること)が取り決められていました。現在のように、個人のお願い事をするご祈祷が行われるようになったのは平安時代中期以降のことです。密教や陰陽道など様々な文化の影響を受けて始まったと考えられています。

2-2. お願い事がある時や人生儀礼の際に行う

七五三の兄弟

現代においてご祈祷は、安産祈願や合格祈願など神様に個人のお願い事をする際や、車のお祓いなどこれからの災厄を避けたいときにご祈祷をします。

また、お宮参りや七五三などの人生儀礼の際もご祈祷を受けます。これは人生の節目を迎えたことの感謝を神様に伝え、これからの更なるご加護を神様にお願いする意味があります。

3. ご祈祷の種類

神社では様々なご祈祷を受けることが出来ます。以下に挙げたお願い事以外でもご祈祷をすることが出来ますので、迷ったら神社の人に聞いてみましょう。

寒川神社拝殿

3-1. 安産祈願

妊婦さんが赤ちゃんの無事の誕生と自身の安全を祈るご祈願です。安定期に入った妊娠五か月目の戌の日に安産祈願をし、腹帯をまきます。

戌の日に安産祈願をする風習は、一度に多くの子供を産み、なおかつ安産である戌(犬)にあやかるため始まったといわれています。妊婦さんがお腹に巻く腹帯は、赤ちゃんを保護する意味があるほか、赤ちゃんの霊魂を安定させるなど、信仰的な意味もあるといわれています。

3-2. お宮参り(初宮参り)

お宮参りは、無事に赤ちゃんが生まれたことを神様に報告し、赤ちゃんのこれからの益々の成長を祈るご祈祷です。

男の子は31目、女の子は33日目に行われています。日程については地域差がありますが、30日前後の日を決めてお参りをするのが一般的です。昔はお宮参りをすることで、赤ちゃんが地域社会の一員になる儀式であったともいわれています。

3-3. 七五三祈祷

3歳の男女・5歳の男の子・7歳の女の子の益々の成長を祈願します。

七五三は、古来から行われてきた「髪置きの儀」「袴着の儀」「帯解きの儀」の3つのお祝いの儀式を由来としています。医療が発達していなかった昔は子どもが無事成長できるよう、節目節目で子どもの無事の成長をお祝いする儀式を数多く行っていました。七五三も、その一つといわれています。
現代でも、七五三の日である11月15日前後には、晴れ着を着た子供たちで神社は賑わいます。

3-4. 厄除け祈願

厄除け祈願は、厄を落とし、災いが身に降りかからないよう願うご祈祷です。特に厄年と呼ばれる年は、人生において体力的・生活環境の変化のある年で災いが起きやすいといわれています。

もちろん厄年に当たらない人も受けることが出来ます。厄除けのご祈祷は、新年を迎える正月に行う人が多いようですが、他の時期に受けても大丈夫です。

3-5. 方位除け祈願

方位除けは、易学や陰陽五行説、暦学などの古代中国の考え方による、生まれ年による吉凶からくる災いにあわないよう願うご祈祷です。
生まれ年により九つの星にわけられ、星回りの良しあしによって吉凶を占います。自身の星や星回りはこちらからどうぞ。

参考:令和5年厄年・方位除け早見表

3-6. 家内安全祈願

家内安全祈願は、1年間の家族の安全と健康を願うご祈祷です。厄除けと同じく正月に受ける方が多いものの、いつ受けても大丈夫です。

内安全祈願は家族の家長が代表して受けることが基本ですが、他の人が代表してご祈祷を受けても大丈夫です。

3-7. 健康祈願

健康祈願は、毎日健康に過ごせるように願う祈願です。身体健全祈願や無病息災祈願などいろいろな名称がありますが、ほぼ同じ内容のご祈願です。

厄年にも方位除けの年にも当たっていないものの、一年を無事に過ごしたいという方、病気あけの方が受けるご祈祷です。

3-8. 病気平癒祈願

現在病気をされていて、病気が無事に早く治るように願うご祈祷です。

家族や知人が本人の代理でご祈祷を受けることも出来ます。その場合、ご祈祷の後に神社でもらえるお札やお守りなどの授与品は、本人に渡すようにしましょう。

3-9. 交通安全祈願

新車やバイクの購入時や、事故を起こした車の厄や災いを落とす願いを込めたご祈願です。多くの神社ではご祈祷の後、車やバイクのお祓いを行います。

また、乗り物に限らず、自身の通勤や通学において交通事故に気を付けたい場合に交通安全祈願を受けることもあります。

3-10. 商売繁盛祈願

お店や工場などの商売繁盛を願うご祈祷です。業務成就祈願とよばれる場合もあります。工場などでは商売繁盛と従業員の安全祈願を合わせて行うこともあります。

3-11. その他の祈願

その他、金運向上、必勝祈願、開運招福祈願など、それぞれのお願いによって様々なご祈祷があります。お願いごとに合わせて神職が祝詞を読み上げますので、お願いごとに迷ったら神社の方に相談してみましょう。

4. ご祈祷に行く際の準備とマナーは?

4-1. 事前予約が必要かどうか確認しましょう

ほとんどの神社では、当日神社で受付をしてご祈祷を受けることが出来ますが、あらかじめ予約が必要な場合もあります。
せっかく神社にいってもご祈祷が受けられないなんてことにならないよう、事前に確認しておきましょう。

4-2. 初穂料は事前に準備しましょう

初穂料とは、ご祈祷を受ける際に神社に納めるお金のことをいいます。ご祈祷の初穂料はおおよそ5,000円~10,000円が相場です。

初穂料は、神社でそのまま納めても問題ありませんが、のし袋に入れて納めるとより丁寧な納め方になります。

>>>のし袋の選び方や準備の仕方はこちらをご参照ください。
参考:【神職が画像で紹介】初穂料はどんな封筒に入れる?書き方やお金の入れ方、神社での渡し方まで解説

4-3. 服装はフォーマルを心掛けましょう

神社へお参りに行く際、決まった服装はありません。しかし社殿でのご祈祷は神様の近くでお参りすることになるため、スーツやそれに準じたビジネスカジュアルな服装で行きましょう。

逆にサンダルやスウェットなどカジュアルすぎる服装は避けましょう。また、妊婦の方や赤ちゃんは体に負担のかからないような服装でお参りに行っても大丈夫です。

4-4. 本人が行けない場合は代理でのご祈祷でも大丈夫

本人がご病気をされている場合や、遠方で都合がつかない場合は代理の方が代わりにご祈祷を受けても構いません。その場合、本来ご祈祷を受ける本人の名前で祝詞を読み上げるので、本人はその場にいなくても神様にお願い事を伝えることが出来ます。

代理だからお願い事が出来ないことはありませんので安心してくださいね。

4-5. 六曜は気にしなくて大丈夫です

神社にお参りに行く際に気になるのが大安や仏滅などの六曜です。
しかし、六曜はあくまで俗信ですので仏滅にご祈祷を受けても問題はありません。一緒にご祈祷に行く人で六曜を気にす人がいたら考慮に入れてもよいでしょう。

5. ご祈祷の流れは?

ご祈祷当日の流れを紹介します。神社によっては多少順番が変わる場合もありますが、大まかな流れは一緒です。

5-1. 社務所や受付でご祈祷の受付をしましょう

受付での初穂料の渡し方

神社に到着したらまず社務所や受付でご祈祷の申し込みをします。申込用紙を記入する場合は、ご祈祷を受ける人の名前・住所・願い事を記入します。記入が済んだら、事前に準備した初穂料と一緒に受付に渡します。

5-2. 待合室で静かに待ちましょう

受付が済んだら待合室でご祈祷の順番を待ちます。神様に失礼が無いように、手水(てみず)で手と口をすすぎ、気持ちを落ち着かせて待ちましょう。

5-3. 修祓

社殿に入るとまずお祓いの儀式である修祓(しゅばつ)がはじまります。修祓では、まず神職が祓詞(はらえことば)を読み上げ、大麻(おおぬさ)で参拝者のお祓いをします。
祓詞を読み上げている時と大麻でお祓いをしている時は、軽く頭を下げます。

5-4. 祝詞奏上

お祓いの後はそれぞれのお願いごとに添った祝詞が読み上げられます。祝詞が読み上げられている間も、軽く頭を下げましょう。
祝詞を読み上げた後、巫女による神楽が舞われることもあります。

5-5. 玉串拝礼

榊の木に紙垂を付けた玉串

ご祈祷の最後に、玉串を神様にお供えして拝礼をします。玉串とは、榊の枝に紙垂(しで)をつけたもので根元を神様の方向に向けお供えをします。
拝礼は「二礼 二拍手 一礼」の作法で行います。玉串の捧げ方は下の動画を参照してください。

参考:【動画】玉串の捧げ方

5-6. 授与品のお祀りの仕方

ご祈祷の際に、神社からお札やお守りなどの授与品が授与されます。それぞれ神様のお札は神棚に、お守りは身に着けるようにしましょう。

一緒に授与されるお神酒やお下がり(御神供)は、神様にお供えされた撤下品(てっかひん)ですので、家族みんなでいただきましょう。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか。ご祈祷ときくと堅苦しいイメージで難しそうに聞こえるかもしれませんが、実際はそう難しいものではありません。流れを押さえておけば大丈夫です。

安産祈願やお宮参り、七五三などは親戚も集まる家族の一大イベントです。大事な家族イベントで慌てないよう、あらかじめしっかり準備をして臨みましょう。

<参考資料>

・沼部春友・茂木貞純編著(2018)「神道祭祀の伝統と祭式」戎光祥出版

・神社本庁監修(2012)「神社のいろは」扶桑社

神社でのご祈願について | 神社本庁 (jinjahoncho.or.jp)

よくある質問

[質問]ご祈祷とは何ですか?
[回答]神職が祝詞をあげ、願いを叶えてもらうため祈る儀式です。
[質問]ご祈祷を受けるにはどうしたらいいですか。
[回答]ご祈祷を受ける当日に、神社で受付をすることが出来ます。
[質問]ご祈祷とご祈願の違いはなんですか?
[回答]特に違いはありません。どちらを使っても大丈夫です。

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