INDEX
1.お宮参りとは
1-1. 神様に赤ちゃんの無事誕生を報告し、これからの健やかな成長をお祈りする儀式
お宮参りとは、赤ちゃんが無事に誕生したことを神様に報告し、これからの健やかな成長をお祈りする儀式です。
鎌倉・室町時代から続く風習といわれており、昔は産土神(うぶすながみ)に感謝して氏子として祝福を受ける儀式と、お産の忌明けの儀式を兼ねたものでした。現在では、こうした昔の考え方は薄れつつあります。
1-2. 生後約1カ月に行う初めての人生儀礼
お宮参りを行う日は、男児は生後31日、女児が33日と言われますが、地域によって違います。
しかしながら、日数にこだわりすぎることなく、赤ちゃんとお母さんの体調や周囲の人の予定などを考えて日取りを決めれば問題ありません。また、生まれて間もない赤ちゃんはまだ自分で体温調節が難しいので、天候も考えて柔軟に調整するのがよいでしょう。
1-3. お宮参りの当日は何をする?
1-3-1. 神社への参拝とご祈祷
一般的に、お宮参り当日の一番のイベントは、神社への参拝とご祈祷です。
ご祈祷は、皆さま自身が御神殿に昇殿し、神様に向き合いご神徳をいただく、より丁寧な参拝です。
なお、神社によってはご祈祷を受けるのに予約が必要なところもありますので、事前にWEBサイトや電話で確認しましょう。
1-3-2. 記念撮影
ご家族がおそろいになるお宮参りでは、記念撮影をされる方も多くいらっしゃいます。
お宮参り当日に神社境内で撮影したり、参拝した後もしくは別の日にスタジオで撮影する方もいらっしゃいます。どのような写真を残したいか、ご希望に沿って計画してみてください。
1-3-3. 食事会
ご家族がそろういい機会ということもあり、食事会をされるご家族も多くいらっしゃいます。レストランでお祝いしたり、自宅でゆっくり過ごしたりとさまざまです。
いずれも、赤ちゃんやお母さんの体調を考慮してふさわしい場所を選びましょう。
2.お宮参りの服装を考える上で気をつけたいことは?
お宮参りの服装には、厳格なルールはありません。
赤ちゃんには「白羽二重」に「祝い着」の正装がありますが、両親や親族の服装は基本的には自由です。
とはいっても、大切なお子様の人生儀礼で神社にお参りしますので、ポイントをおさえてすばらしいお宮参りをなさってください。
2-1. 主役である赤ちゃんを中心に、家族のまとまりを考える
お宮参りの服装選びにおいて最も重要なのは、
「主役の赤ちゃんを中心に家族みんなでまとまりのある服装を選ぶ」ということです。
2-1-1. 両親は赤ちゃんと同格もしくは格を下げた服装を選ぶ
お宮参りの主役は赤ちゃんご本人である、ということが両親の服装を選ぶうえで最も大切です。
例えば、赤ちゃんが和装(白羽二重に祝い着)であれば、両親は和装と洋装いずれでも構いません。
一方、赤ちゃんがベビードレスであれば、洋装でそろえましょう。
一般的に、和装の方が、格が高いと考えられるためです。
また、父親と母親も同じ格でそろえるのがよろしいかと思います。
どちらかがきっちりとした和装、もうどちらからが普段着、とならぬようにしましょう。
祖父母も一緒に来る場合も同じです。服装については、事前に相談しておきましょう。
2-1-2. 両親は赤ちゃんを引き立たせる色合いに
赤ちゃんを引き立て、華を添えるような服装を心がけましょう。
母親の場合、和装であれば薄い黄色・桃色・水色・黄緑色・紫色など、
洋装であればネイビー・グレー・ベージュ系など落ち着いた色がおすすめです。
父親の場合はスーツが定番ですが、黒やネイビーなどのダークスーツがいいでしょう。
3.お宮参りの主役!赤ちゃんの服装の選び方は?
生まれたばかり生後約1カ月の赤ちゃんに何を着せるか、体温調節のためにどのような工夫がひつようなのかなど、初めてのことでわからないことがたくさんあるかと思います。
決まったルールはない、とは言っても、やはり大事な赤ちゃんの初めての人生儀礼とあらばきちんとした格好をさせてあげたいというのが親心。
ここでは、赤ちゃんの服装について紹介します。
3-1. 和装|白羽二重かベビードレスに祝着
お宮参りの主役である赤ちゃんの正装は、「白羽二重」という内着の上に、祝着(のしめ)を羽織るのが伝統的な衣装です。最近では、内着はベビードレスとするのが一般的なようです。
祝着は、赤ちゃんに着せるのではなくかけて使います。白羽二重やベビードレスを着た赤ちゃんを覆うように祝着をかけ、そのひもを赤ちゃんを抱っこしている人の背中から方に回して結びます。
🎞️産着(祝い着)の着せ方(動画編)|京都かしきもの
男の子の祝着は、袖の下と帯のあたりに横に模様のある「熨斗目(のしめ)模様」が選ばれます。強く元気な子に育ってほしいという願いを込めて、鷹・松・兜・鶴・武者など勇ましい柄が描かれています。色は黒や紺色、緑、グレー、白などが多いです。
女の子の祝着は、「友禅模様」があしらわれ、大変華やかなものが選ばれます。優しく美しく育ってほしい、という願いから、蝶や手まり、御所車などに桜や牡丹などの柄が描かれるものが多いです。色は、ピンク、赤、白が定番ですが、薄い黄色や水色もかわいらしく人気があります。
祝着は直して、七五三のお祝いに利用する場合もありますが、お手入れや金額のことを考えると、レンタルが便利です。
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男児、女児とも、祝着には縁起がよいとされる小物を付ける方もいらっしゃいます。絶対に必要というものではありませんが、あるとより一層おめでたさが増すかもしれません。
3-2. 洋装|ベビードレス
赤ちゃんが着るお宮参りの洋装といえば、「ベビードレス」。もともとはキリスト教の洗礼式などで着用されるクリスニングガウンが由来ですが、赤ちゃんが病院から退院する日のような特別な日に着ることも多いです。
気温の心地よい時期であれば、ベビードレスだけでも問題ありません。
やはり和装に比べ、和装に比べて購入しやすい価格帯というのは魅力です。
和装を購入するとなると3~5万円程度が相場になりますが、ベビードレスであれば1万円前後が目安になります。
また、お手入れのしやすさも安心材料です。基本は手洗いになりますが、省スペースで保管もできます。
ドレスといっても男児・女児ともに着ることができますが、最近では様々なデザイン・素材(生地)のものがあるのでお好みのものを選んでみましょう。
3-3. 夏の暑さ対策
暑い時期にお宮参りをする際には、風通しのいい素材を選びましょう。例えば、内着として薄い生地のベビードレスを選んだり、肌着はガーゼ素材を選ぶなど工夫が必要です。
3-4. 冬の寒さ対策
寒い時期にお宮参りをする際には、保温性に優れた綿素材を選びましょう。ニットガーゼやスムース素材など、ふんわりと柔らかく暖かな肌着がおすすめです。全身を防寒できるカバーオールがあれば準備万端です。
赤ちゃんはまだ自分で体温調節が難しいので、場所ごとに服装を変えてあげることが大事です。例えば、車内や屋内が暖房で温まっているのであれば防寒着を脱がしてあげるなど、様子を見ながら調節してあげましょう。
4.母親の服装の選び方は?
4-1. 服装選びのポイント
お子様の衣装が決まったら、母親の服装を選びましょう。
4-1-1. 体調を最優先に
お宮参りは産後およそ1カ月ということもあり、まだまだ十分に体が回復されておらず疲れやすくなっておられるかと思います。まずは体に無理のない服装をお選びください。
4-1-2. 授乳しやすい服装
生後およそ1カ月の赤ちゃんは授乳回数も多く、お宮参りにお出かけ中も授乳が必要になる方もいらっしゃるかと思います。したがって、授乳がしやすいというポイントも重要になってきます。
4-1-3. 産後の体型をカバーできるような服装
産後の体型が気になるという方であれば、ゆったりとした服装を選ばれるとよいでしょう。
4-2. 和装の場合
昔は、お宮参りに母親が着る着物は格式高い留袖を着る方もいらっしゃいましたが、
最近では、訪問着・色無地・付け下げが主流になっています。
和装となると、小物の準備や後のお手入れを考えると、やはりレンタルがおすすめです。
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4-3. 洋装の場合
和装は華やかではありますが、体への負担や授乳のことを考えると、洋装がおすすめです。
洋装といえば、スーツもしくはワンピースになります。
現在では、「授乳ワンピース」というものがあり、おしゃれでありながら大変便利です。
しかし、その目的から長く使うものではありませんので、レンタルするのも一つです。
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4-4. 和装なら草履、洋装ならヒールのないパンプスを
和装なら足元もあわせて草履に、洋装ならヒールのないパンプルがおすすめです。
境内は砂利が敷かれていたり階段があったりするので、歩きやすいものが安心です。
5.父親の服装の選び方は?
お子様の衣装が決まったら、母親と合わせて父親の服装を選びましょう。
5-1. ダークカラーのスーツが一般的
父親の衣装としては、ダークカラーのスーツが定番です。
ダークカラーとは、黒やネイビー、チャコールグレーを指します。
無地はもちろん、薄いストライプが入っていても大丈夫です。
なお、仕事に着ているビジネススーツがあれば、
わざわざお宮参りのためだけに新しいものを購入する必要はありませんのでご安心ください。
5-2. ネクタイは明るい色がおすすめ
赤ちゃんと母親との色合いを考えながら、明るめの色でお祝いを演出しましょう。
なお、黒色のネクタイは弔事の際に使用するものなので、絶対に選んではいけません。注意しましょう。
5-3. シャツは白、靴と靴下は黒
シャツは白色で清潔感を出しましょう。
足元の身だしなみも大事です。靴と靴下は黒一択です。
6.祖父母の服装の選び方は?
お孫さんの誕生といえば、この上ない喜びかと思います。
ここでは、祖父母の服装選びのポイントを紹介します。
6-1. 雰囲気と格を揃えることが第一
主役である赤ちゃんを中心に、両親と雰囲気と格を揃えることが最も重要です。
お呼ばれが決まった段階で、早めの段階でお孫さんの両親(祖父母から見た息子・娘)に服装については相談しておきましょう。
6-2. 祖母は略礼装着かセレモニースーツ
昔は、お宮参りで祝着に身を包んだ赤ちゃんを抱っこするのは、父方の祖母の役割でした。昔は、ちょうどお宮参りまで母親は産後の穢れが残っているといわれていたためです。
最近ではこうした風習は薄れており、どなたが抱っこしても問題ありません。したがって、父方・母方関係なく赤ちゃんを抱っこする役割があるかもしれないことを念頭に、服装選びをされるのがよろしいでしょう。
6-2-1. 和装の場合は、略礼装着
親子三代和装での写真はとっても華やかで見栄えがします。
祖母も和装でという場合は、略礼装着(訪問着、付け下げ、色無地)を準備しましょう。
6-2-2. 洋装の場合は、ワンピースやセットアップ
洋装の場合は、ワンピースやセットアップがおすすめです。
お手持ちで使えそうなものがあれば、わざわざ購入する必要はありません。
色は、黒・ネイビー・グレー・ベージュなど落ち着いた色でまとめましょう。
6-3. 祖父はスーツが基本
父親と同じように、ダークカラーのスーツが定番です。
黒やネイビー、チャコールグレーのもので、無地だけでなく薄いストライプが入っていても大丈夫です。
お使いのビジネススーツがあれば、そちらで事足りますのでわざわざ購入する必要はありません。
お持ちでない場合は、清潔感のある襟のあるシャツにジャケットで問題ありません。
7.付き添いのお子さまの服装の選び方は?
7-.1 窮屈でない落ち着いた服装で
子どもの場合は、パパ・ママの服装とバランスが取れたものを選びましょう。
特に小さいお子さまの場合はシャツ・短パンでも問題ありませんが、黒・白・グレー・紺色など、落ち着いた色合いでまとめるとことをおすすめします。
8.お宮参りには避けた方がいい服装
お宮参りは、大切なお子さまの人生初めての神前の儀式ですので、神様に失礼のないよう、次の服装は避けましょう。
8-1. 露出の多い服
男女問わず、ノースリーブや短めのパンツといった露出の多い服は避けましょう。
8-2. 汚れた服
汚れた服で神社に参拝するのは、避けましょう。
身も心もきれいにして、お参りしましょう。
8-3. カジュアルでラフな服装
お宮参りでは写真を撮影されることかと思います。
Tシャツ、短パン、サンダル、ジーパンはラフすぎる服装は避けましょう。
ユニクロは絶対にダメ、ということではありませんが、どちらかというとカジュアルな部類に入るので、赤ちゃんが和装をされるのであれば、避けた方が無難です。
8-4. 派手な色の服
蛍光色や全身柄物といった派手すぎる色合いの服は避けましょう。黒・白・グレー・紺色など、ベーシックな色合いの服だと、周りから変に目立つことはありません。
8-5. その他、気にしたい装飾
サンダル、ヒールは避けましょう
神社敷地内は砂利が敷かれていたり階段が多かったり、駐車場から歩いたり、境内を散策したりと、お宮参りは意外とアクティブなイベントです。足元は歩きやすい靴やヒールのないパンプスがおすすめです。
鞄は落ち着いた色を選びましょう
服にあわせて、黒・白・グレー・紺色など、落ち着いたベーシックの色のカバンを選びましょう。派手な柄付き、ブランドロゴが全面にアピールされているもの、シルバー・ゴールドの金具がたくさんついているなど、主張が強いものは避けるのが無難です。
髪型は服に合わせてセット
服装にあわせて髪もセットしましょう。清潔感のある髪型が好ましいです。
過度なアクセサリーは避けましょう
ご祈祷は、静かな環境で行われますので、歩くと音が鳴るようなジャラジャラするアクセサリーは外していきましょう。
9.まとめ
さあ、お宮参りに行くときの服装は決まりましたでしょうか。
ポイントをおさらいすると、
“主役の赤ちゃんを中心に家族のまとまりを考える”ということが大切です。
人物別でみると、
・赤ちゃん・・・ベビードレスに祝着が主流。気候がよければベビードレスだけでもよし。
体温調節ができるような工夫をしましょう。
・母親・・・・・体調や授乳のことを考えて、略礼装やスーツやワンピースを。授乳ワンピースも便利。
・父親・・・・・ダークカラーのスーツが一般的。
・祖父母・・・・母親・父親と相談しながら決めましょう。
・付き添いの子供・・・窮屈でない落ち着いた服装で。
大切な赤ちゃんの最初の人生儀礼です。
お宮参りにふさわしい服装で、胸を張って赤ちゃんの無事誕生を報告し、今後の健やかな健康をお祈りください。
<参考資料>