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【2023年版】節分はいつ?今年の恵方は?節分の由来や豆まき、恵方巻の食べ方を解説

【2023年版】節分はいつ?今年の恵方は?節分の由来や豆まき、恵方巻の食べ方を解説

節分といえば「鬼は外、福は内」の掛け声でする豆まきを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
子供のころ、幼稚園やご家庭で鬼に向かって豆まきをした経験がある方も多いかと思います。

また近年では、恵方を向いて恵方巻を食べる習慣が広まり、節分の時期になるとスーパーの店頭に並ぶのをよく見かけます。

しかし、なぜ豆まきをするのか、なぜ恵方巻を食べるのか、はっきりと答えられる人は少ないのではないでしょうか。

ここでは、2023年(令和5年)の節分の日付や恵方の方角、節分の由来や豆まきの意味まで詳しくご紹介します。

1. 2023年の節分の日と恵方は?

1-1. 2023年の節分は2月3日

2023年の節分は2月3日です。

節分の日は毎年必ず2月3日なのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
節分の翌日である立春は、その年の太陽の軌道により1~2日日付が変わるため、それに合わせて節分の日付も変わります。

2023年、2024年は2月3日ですが、2025年は2月2日が節分です。

1-2. 2023年の恵方は「南南東のやや南」

2023年恵方

2023年の恵方は「南南東のやや南」です。

恵方とは、その年の歳神様(歳徳神・福の神)がいる方角で、その方位への旅行や引っ越しなど、すべてにおいて縁起のいい方角です。

恵方巻も、この恵方の方角に向かって食べるとよいとされています。

2.節分って何の日?

2-1. 季節の変わり目

二十四節気

節分とは、一年を24の季節で分ける二十四節気のうち、四季の始まりの日である「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日をさします。
節分の文字通り、季節と季節を分ける変わり目の日です。

本来は春、夏、秋、冬の四季それぞれに節分がありますが、今日では主に2月4日前後の立春の前日を節分といいます。

2-2. 邪気払いをする日

節分は、季節の変わり目の日です。
現代でも、季節の変わり目は、気温の変化により体調を崩しやすいといわれます。

昔の人は、病気や災厄は鬼によってもたらされるものと考えていました。そのため、体調を崩しやすい季節の変わり目の節分には、鬼をはらう邪気払いが盛んに行われるようになりました。

2-3. 節分は新年に向けての邪気払い

四季それぞれの節分で邪気払いが行われていましたが、中でも立春の前日の節分は、最も重要視されていました。

旧暦では、立春の前後に元日が置かれていたため、立春の前日の節分は、新しい年を迎える大晦日にあたります。
そのため邪気を落として新年を迎えたいという思いから、2月の節分では様々な邪気払いの儀式が行われ、今日まで伝わっています。

3. 節分には何をする?

3-1. 豆まき

豆まきと鬼のお面

節分行事の代表といえば、豆まきです。

日本人にとって大豆は、お米や麦、あわ、ひえとともに「五穀」と呼ばれ、日本人の風習や生活文化の象徴でした。
五穀の一つである大豆には、神聖な力が宿っていると信じられており、「魔滅(まめ)」の意味で魔を退ける食べ物といわれていました。

豆まきの豆は、煎った豆を使います。これは、豆を煎ることによって「魔の目を射る」といわれていたことによるものです。また、生の豆は芽が出ることから「魔の芽が出る」といわれ、縁起が良くないとされていました。

豆は福益と呼ばれる升に入れて撒きます。これは「豆にますます力が増す」といわれていたためです。

3-1-1. 豆まきのやり方

豆まきのやりかたは地域によって異なりますが、ここでは代表的なやり方をご紹介します。

【豆まきのやり方】

①豆は生ではなく、煎ったものを使います。これは、豆に芽が出てしまうのを防ぐためです。
煎った豆は升に入れて神棚、もしくは高いところにお供えします。升は紙で作っても構いません。お供えした豆を福豆といいます。

②鬼は深夜(丑寅の刻)になると訪れるといわれているため、豆まきは夜に行います。
玄関、戸口をあけ「鬼は外」の声で窓の外に豆を投げ、鬼を追い出します。

③次に、鬼が戻ってこないうちに窓を閉め、「福は内」の掛け声とともに出入り口や各部屋に豆を撒き、家の中の邪気をはらいます。

④豆まきが終わったら年齢の数の豆を食べ、無病息災を願います。昔の年齢の数え方である数え年に合わせて、年齢+1個の豆を食べる場合もあります。
豆を食べるのが苦手な方は「福茶」にして飲むのもおすすめです。

 参考:ヱスビー食品株式会社|レシピ「福茶」

豆まきは一家の主や、厄年の人が行うとされていましたが、現在は家族揃って行うことが一般的です。

3-2. 恵方巻

恵方巻は関西発祥といわれている比較的新しい文化です。
諸説あるものの、元々は丸かぶり寿司などともいわれ、商売繁盛や無病息災を願い食べられていたといいます。

縁起の良い7種類の具材が入っているものが一般的ですが、最近では海鮮やお肉など、様々な具材が巻かれた恵方巻があります。

恵方巻

一般的な7種類の具材の意味

恵方巻の基本の具材は縁起のいい7つの具材です。7という数字は恵比寿天(えびすてん)毘沙門天(びしゃもんてん)大黒天(だいこくてん)寿老人(じゅろうじん)福禄寿(ふくろくじゅ)弁財天(べんざいてん)布袋尊(ほていそん)の「七福神」にちなんだものです。7つの具材のそれぞれの意味をご紹介します。

◆かんぴょう

かんぴょうはその長さから「長寿」の願いが込められています。
また紐状であることから、縁結びの御利益があるとされています。

◆しいたけ煮

しいたけは当時貴重な食べ物であったことから神様へお供えにされ、縁起のいい食べ物でした。
また形が陣笠に似ていることから、食べた人の身を守る意味があったといいます。

◆伊達巻

伊達巻は巻物のように巻かれていることから学問に関する縁起物です。
また玉子の金色は金運向上の縁起物といわれています。

◆うなぎ

うなぎはその長さから長寿の願いが込められており、またうなぎのぼりの言葉の通り、立身出世を意味しています。

◆桜でんぶ

桜でんぶは、鯛を使用していることから、おめでたい意味が込められています。
またピンクの色は、春を想起させる華やかさを意味しています。

◆海老

海老は曲がった腰や長いひげなどから、健康長寿の意味があるといわれています。
また、家内安全や夫婦円満の意味があるといわれています。

◆きゅうり

きゅうりはその名前から、九つの利益「九利」をもたらしてくれる食べ物といわれています。

3-2-1. 恵方巻の食べ方

ここでは恵方巻の食べ方を紹介します。

①恵方巻は恵方を向いて食べます。2023年の恵方は「南南東」です。

②恵方巻は切りわけず丸かじりをします。食べ始めたら口を離さず一気に食べます。

③食べきるまでは無言で食べます。
無言で食べきることによって、お願い事が叶うといわれています。

以上が一般的にいわれる恵方巻の食べ方です。他にも「立って食べる」「笑いながら食べる」などのいわれがあります。

しかし、あまり難しく考える必要はありません。せっかくのおめでたい恵方巻ですので、楽しく食べることが一番です。
また、無理して一気に食べることは、場合によっては大変危険です。途中で飲み物を飲んでも、恵方巻を切りわけてゆっくり食べても問題ありません。

恵方巻そのものが縁起のよい食べ物ですので、一緒に食べる人と楽しんで食べることを心掛けましょう。

3-3. 節分飾りを飾る

柊鰯

節分では、鬼や邪気が家に入ってこれないように、柊の枝に焼いた鰯の頭を刺した「ひいらぎいわし」や「やいかがし」と呼ばれる飾りを戸口に挟みます。

昔は柊の枝などとがっているものには邪気払いの意味があったことや、鰯の頭は腐りやすく、なおかつ焼くと臭いが出ることから、臭いによって悪いものを遠ざける意味があったといいます。

また、鬼が触れるとガラガラと音のなるように、柊に豆殻を取り付ける風習もあります。

3-4. 最近では豆まきより恵方巻

豆まき アンケート

恵方巻食べますか?アンケート

(出典:CanCan.jp 2月3日は節分…だけど、みんな実際豆まいてる?恵方巻き食べてる?

 

最新のアンケート調査によると、豆まきを「毎年している」「することが多い」と答えた方は全体の33%、恵方巻を「毎年食べる」「食べることが多い」と答えた方は50.3%になりました。

比較的新しい文化ではありますが、恵方巻の方が習慣になっている方が多いようです。

4. 節分行事の由来は?

節分は、旧暦における新年を迎えるための邪気払いですが、宮中儀式であった「追儺」の行事と、お祓いの際に豆や米を撒く習慣が混ざり合わさったものが、現在の節分行事の由来といわれています。

4-1. 平安時代の宮中行事「追儺」

節分の由来のひとつは、平安時代の宮中で行われていた「追儺(ついな)」の儀式であるといわれています。

追儺は、中国から伝わった儀式で「鬼やらい」や「ならやい」とも呼ばれます。儀式では、大晦日(旧暦12月30日)に宮中の役人が扮する「方相氏(ほうそうし)」と呼ばれる厄払い役が、金の四つ目の面や黒衣を身に着け、矛と盾を持って宮廷内を駆け回り、疫鬼を追い払ったといわれています。

時代がたつにつれ、方相氏自身が鬼の役割として変化し、現在のように鬼を家から追い出す儀式になっていったといわれています。

現在でも追儺の儀式を行っている神社もあります。

4-2. 節分に追儺式を行っている神社

4-2-1. 吉田神社

京都市左京区の吉田神社では、3日間にわたり節分祭が執り行われます。節分前日に疫神を鎮める疫神祭、夕方からは追儺式(鬼やらい)が古式に則り執り行われます。
追儺式では陰陽師や方相氏が儀式を行い、最後は殿上人が桃弓で葦の矢を放ち、疫鬼を追い払います。
節分当日の夜は火炉祭(かろさい)が執り行われ、参拝者たちが持参した古いお神札やお守りをお炊き上げをします。
翌日に節分後日祭を行い、3日間にわたる節分祭が幕を閉じます。

(出典:吉田神社 節分祭について

4-2. 節分の鬼は災いの象徴

鬼

節分で追い払う鬼は、邪気や災いの象徴です。昔は、人の力ではどうすることも出来ない災いや病気は鬼の仕業だと考えられていたため、新年の幸福を祈り鬼を追い払うようになりました。

鬼は丑(うし)の角と寅(とら)の牙を持つ鬼は、北東の方角から丑寅の時刻(午前2時~4時)にあらわれるといわれます。
そのため、豆まきもそれにあわせて行われていたそうです。

5. 地域特有の節分行事

節分行事は地域によっても独特な風習があります。ここでは地域特有の節分行事をいくつかご紹介します。

5-1. 大豆の代わりに落花生を撒く

北海道や東北地方では、大豆の代わりに殻付きの落花生を投げます。

雪の上に投げても拾いやすく、衛生的であることが理由だそうです。

5-2. 特別な食べ物を食べる地域も

【長野県など】節分そばをたべる

諸説ありますが、そばは麺が切れやすいことから、厄落としのご利益があるといわれていたそうです。

旧暦では2月の節分は大晦日であったため、この日にそばを食べ厄を落とし、新年を迎えていたそうです。
これが現在の12月31日に食べる「年越しそば」の由来であるといわれています。

【関西地方】麦飯

麦飯は厄除けとして鰯と一緒に食べる風習があります。「厄払い」という落語にも登場する風習です。

【山口】くじらを食べる

山口県では、節分にくじらを食べる風習があります。
大きいものを食べることは縁起が良いとされ、子供が大きく育つように、志を大きく持った一年に、との願いを込めて食べます。

【四国】こんにゃくを食べる

四国ではこんにゃくを食べる風習があります。こんにゃくは食物繊維が豊富で体内をきれいにしてくれます。
こんにゃくは「腸の砂おろし」ともいわれ、体内の余分なものを外に出してきれいにするという意味で食べられています。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか。

元々は新しい年を迎えるための邪気払いが由来の節分行事ですが、今日では、寒い冬が終わり新しい春を迎える時期の厄落としの行事であるともいえます。

これから訪れる春の足音を感じながら、豆まきや恵方巻などの節分行事を、家族で楽しんでみてくださいね。

<参考資料>

三浦康子(2014)「和の行事を楽しむ絵本」永岡書店
小林玖仁男(2008)「日本の室礼」求龍堂
dmarket|【2022年】恵方巻きを食べる方角や節分の由来は?おすすめのレシピもご紹介
じゃらんnet|【節分とは】2023年は2月3日!方角や豆まきの由来から正しいまき方まで解説!

よくある質問

[質問]2023年の節分はいつですか?
[回答]2023年の節分は2月3日です。
[質問]2023年の節分の恵方はどちらですか?
[回答]2023年の節分の恵方は南南東のやや南です。
[質問]節分には何をしますか
[回答]節分は、季節の変わり目の邪気払いとして、鬼を追い出すための豆まきや恵方巻を食べます。

 

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