産泰神社 安産祈願

安産祈願や神社のことについて、神職が綴ります。

このはな手帖

【神職がお答えします】いつ行けばいい?安産祈願の日取りの決めかた

【神職がお答えします】いつ行けばいい?安産祈願の日取りの決めかた

妊娠5ヶ月の安定期に入り体調が安定してくる頃、神社に安産祈願に行こうと考える方も多いかと思います。

しかし「行きたいけど、いついけばいいのかわからない」「戌の日がいいと聞くけど、他の日ではだめなの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

ここでは、
「安産祈願はいつ行くのが正しいの?」
「戌の日に行けない場合はいつけばいいの?」
「そもそも安産祈願や戌の日って何?」
といった疑問にお答えします。この記事を読めば、安産祈願にいつ行けばいいのかわかるようになります。

1.戌の日とは?

1-1. 干支(えと)をもとにした「暦(こよみ)」の一つ

「令和四年はとら年」というように、ね、うし、とら…と12種類の動物が順番に並ぶ干支は日常でもよく耳にします。
実は干支は年だけではなく、月や日にも割り当てられています。

カレンダーの干支

干支は古代中国の陰陽五行説や易といった考え方から発生したもので、月日や時間を表すのに用いたり、占いに用いられたりしました。

戌の日は、干支のうち戌(いぬ)が割り当てられた日を言い、十二支が一周する12日に一度の周期でやってきます。

1-2. 犬は安産の守り神

犬は一度にたくさんの子犬を産み、なおかつ出産が軽いことから「安産の守り神」といわれています。

昔は医療が発達しておらず、出産は今以上に命がけの一大行事でした。そんななか妊婦さんと赤ちゃんの無事を祈り、多産・安産の象徴である戌に少しでもあやかろうと人々が願いをこめたことから、戌の日に安産祈願をする風習がはじまったと言われています。

また地域によっては、犬は吠えて邪気をはらい子供を悪霊から守ると言われており、子供にとっても縁起がいい動物といわれています。

1-3. 妊娠5か月目の戌の日は「帯祝い」を行う

妊娠5ヶ月目の最初の戌の日には「帯祝い」を行います。「帯祝い」とは、妊婦さんが腹帯をまき安産を願う儀式のことです。

腹帯の歴史は古く、古事記において神功皇后がご懐妊されたときに、腹部に布を巻いて子どもを守った事が起源とされています。江戸時代になると腹帯の風習は庶民にも広がり、安定期に入る妊娠か月目の戌の日に妊婦さんが腹帯をまくことで、妊娠したことを周囲に披露し、妊娠のお祝いをしていました。

現在もその風習は受け継がれ、妊婦さんは妊娠5か月の最初の戌の日に腹帯をまき始め、赤ちゃんの無事の誕生を願います。妊娠5か月目の戌の日は、腹帯をまき始める日の一つの目安と考えましょう。

1-4. 令和4年から令和5年の戌の日カレンダー

令和4年から令和5年(2022年~2023年)の戌の日をご紹介します。※は大安の戌の日ですので、是非ご参考ください。

令和4年と令和5年の戌の日カレンダー

 

2. 安産祈願はいつ行けばよい?

2-1.  半数以上の妊婦さんは戌の日に安産祈願

安産祈願は一般的に「妊娠5ヶ月目の最初の戌の日」が縁起がよい日と言われています。

アンケートによると、半数以上の妊婦さんが戌の日の慣習にこだわって安産祈願をしているのが分かります。

(出典:ベビカムリサーチ「両親も一緒に?さらし帯は巻く?祈願スタイルはさまざま」

2-2. 「戌の日」よりも妊婦さんの体調を優先で

戌の日に安産祈願をする風習は現代にも受け継がれていますが、必ずしもこだわる必要はありません。

妊婦さんの体調や天候を考え、妊婦さんに負荷がかからないような日取りを選びましょう。有名な神社では、戌の日や土日は、ご祈祷までの待ち時間が発生することもあります。戌の日の風習は、あくまで目安として考え、妊婦さんの体調にあわせて安産祈願をしましょう。

同じように六曜(大安や仏滅など)も、こだわる必要はありません。六曜はあくまで俗信ですので、妊婦さんの都合を第一に考え、日取りを決めて大丈夫です。

2-2-1. 「戌の日」の風習は江戸時代から

そもそも「戌の日」に安産祈願をするようになったのは、江戸時代の半ば以降に見られる比較的新しい風習です。

平安時代から鎌倉時代の初め頃までは「卯の日」に帯祝いをする風習があったそうです。江戸時代に入っても、「子の日」「戌の日」「酉の日」「寅の日」が安産の吉日とされており、必ずしも安産祈願は「戌の日」にしなければならないものではありませんでした。

このように、時代によっていろいろな考え方があるため、現代でも必ずしも「戌の日」にこだわる必要はありません。

2-3. 安産祈願は5か月を過ぎても大丈夫

安産祈願の目安である5ヶ月目を過ぎてしまっても問題ありません。安産祈願に期限はありませんので、あくまで妊婦さんの都合を第一に考えましょう。

もちろん早めに安産祈願をしても大丈夫です。暑い時期や寒い時期には無理をせず、少し時期をずらすなどして、妊婦さんの体調と気候のいい日に安産祈願をしましょう。

2-4. 代理での安産祈願もあり

妊婦さん自身が安産祈願に行けない場合は、旦那さんやご家族が代理で神社に安産祈願を受けにいっても大丈夫です。

この場合神社では、妊婦さんの名前で祝詞を読み上げるため、代理だからといって御利益が小さくなる、なんていうことはありませんのでご安心ください。代理の方に安産祈願を受けてもらい、自宅でお神札をお祀りしましょう。

3. 安産祈願は誰と行く?

3-1. 誰と行っても大丈夫

安産祈願は誰と行っても大丈夫です。ご夫婦二人でお参りに行く方や、妊婦さんのお母さんが付き添う場合もあります。

もちろん安産祈願は家族みんなのおめでたい行事ですので、家族揃って安産祈願をする方もいます。いずれにせよ、妊婦さんの体調を考えて、いざという時に頼れる人と一緒に行くのがよいでしょう。

3-2. 初穂料を納めるのは妊婦さん・旦那さんが多数

安産祈願に行った場合、妊婦さんと旦那さんが自分たちで初穂料を納めることが多いようです。

もちらん明確な決まりはありません。子供の誕生を願う気持ちはご両親や義両親も同じなので、申し出があった場合には素直に甘えてしまうのもよいでしょう。

(出典:kosodate LIFE(子育てライフ)「【実態調査】安産祈願の初穂料は誰が払う?食事は?腹帯は誰が買う?」

4. 安産祈願に行く前の事前準備

安産祈願を受ける妊娠5ヶ月は安定期に入ったとはいえ、妊婦さんにとって外出は大変なことです。神社に到着してからスムーズに安産祈願ができるよう、事前にホームページで確認し、準備を整えお参りに行きましょう。

ホームページがない場合は、直接電話で確認しても大丈夫です。

4-1. 受付時間の確認

安産祈願の受付時間は神社によって異なります。仏滅の日は空いていない場合や、お祭りでご祈祷の受付をしていない日もあります。
せっかく神社に行ったのに開いてなかった、といったことが無いよう、事前に確認しておくと安心です。

4-2. 安産祈願の予約の確認

ほとんどの神社では、安産祈願を受ける当日に受付をしますが、あらかじめ予約が必要な場合もあります。
予約が無い場合、安産祈願を受けることが出来ないなんてこともありますので、確認しておきましょう。

4-3. 初穂料の準備、あると便利な持ち物をチェック

4-3-1.まずは初穂料の準備をしよう

ご祈祷を受ける際に神社に渡す初穂料は神社によってまちまちですが、一般的に5,000円~10,000円が相場です。ほとんどの神社では安産祈願の初穂料はあらかじめ決まっていますので、確認しましょう。

また、初穂料はのし袋に入れて神社に納めるのがマナーです。事前に準備しておけば神社の受付であわてることなくスムーズに初穂料を渡せます。初穂料をのし袋に入れる際は、できるだけ新しいお札を入れるようにしましょう。

のし袋に入れるお金の向き

>>>初穂料に関する記事はこちらもご覧ください。
【神職が画像で紹介】初穂料はどんな封筒に入れる?書き方やお金の入れ方、神社での渡し方まで解説

4-3-2. 初穂料がはっきりと明記されてない場合は相場の金額を納めよう

神社によっては安産祈願の初穂料が「5,000円より」など、はっきりと明記されていない場合があります。その場合、そのまま5,000円を納めてしまって問題ありません。もちろんお気持ちで1,000円~2,000円追加で納めても大丈夫です。

「お気持ちで」などと、金額がまったく明示されていない場合は、一般的な初穂料である5,000円〜10,000円程度を用意しましょう。

納めた初穂料が少ないから御利益が少ない、なんてことはないのでご安心くださいね。

4-3-3.  あると便利な安産祈願の持ち物チェック

安産祈願に持っていくと便利な持ち物を紹介します。腹帯は神社でも受けられますが、自身で購入したものを持っていくとお祓いをしてくれる場合もあります。

また、万が一体調が悪くなった時のために母子手帳を持参しましょう。寒い時期にはカーディガンやブランケットを用意しておくと安心です。

<あると便利な持ち物>

・腹帯

・母子手帳

・手提げ袋

・カーディガンやブランケット

4-4. 妊婦さんは緩やかな服装で

安産祈願は神様の前で行われる儀式なので、きちんとした服装をするようにしましょう。とはいえ、妊婦さんは体調が第一です。お腹を締め付けない緩やかなワンピースや、温度調節ができるようなカーディガンなど、体に負担にならない服装を選びましょう。

付き添いの男性は、スーツもしくはビジネスカジュアルな服装でお参りしましょう。

 

5. 安産祈願に行こう

安産祈願の当日、神社についたらまず鳥居の前で一礼します。手水で手を清めたら、ご祈祷の受付をしましょう。

5-1. 神社でのご祈祷の流れ

神社によって異なる部分もありますが、ここでは安産祈願の一般的な流れを紹介します。

受付

まずは神社の受付でご祈祷の受付をします。申込用紙には妊婦さんの名前、今住んでいる住所を記入します。初穂料は、申込用紙を渡す際に一緒に渡します。その後、待合室や境内で順番を待ちます。戌の日や土日は、ご祈祷までの待ち時間がある場合もあります。

授与品を受ける

神社によって順番は異なりますが、ご祈祷の前後に、安産祈願にまつわるお神札、お守りなどを受けます。授与品の内容は、神社によって異なります。

ご祈祷

神職によって、安産を祈念する祝詞が神様に奏上されます。祝詞では妊婦さんの名前と住所が読み上げられますので、心を静かに、一緒に神様に思いを伝えましょう。
ご祈祷時間は、おおよそ15分から20分程度です。

拝礼

ご祈祷の後はご神前で神様にお参りをします。二礼二拍一礼の作法で、お参りしましょう。

お参りが終わって鳥居を出る際も、神様に向かって一礼をします。

5-2. 家に帰ったらお神札をお祀りしましょう

神社で安産祈願をすると、お神札やお守りなどの授与品がいただけます。

お神札は神棚や目線よりも高いところに南向き、もしくは東向きにお祀りをします。リビングなど、家族が集まる場所がよいでしょう。お守りは、妊婦さん自身で身につけましょう。

 

6.無事に出産が済んだらお神札を納めましょう

6-1. お神札やお守りは、お宮参りの際に神社へ納める

神社で受けたお神札やお守りは、一年間自宅でお祀りし、神社に納めます。しかし安産祈願の場合、無事に出産が済んだら神社に納めてしまって大丈夫です。赤ちゃんのお宮参り(初宮参り)のときに一緒に納めるのがよいでしょう。

お神札やお守りは、受けた神社で納めるのが本義ですが、遠方などの場合は近くの神社で納めても構いません。

7. まとめ

安産祈願は、妊婦さんの都合のいいタイミングでいつ行っても大丈夫です。戌の日や吉日にこだわらず、妊婦さんに負担がかからないようにお参りに行きましょう。

神社での安産祈願は慣れないことが多く、堅苦しそうで不安に思うこともあるかもしれません。ですが、難しい決まりはありませんので、以下のポイントを押さえておけば大丈夫です。

・戌の日は安産多産な戌にあやかる風習
・妊娠5か月目の戌の日は、腹帯をまき始める日
・安産祈願は、妊婦さんの都合に合わせていつ行ってもよい
・誰と安産祈願に行っても大丈夫
・神社にご祈祷の予約が必要か確認しましょう
・神社で受けたお神札はお宮参りのときに神社へ返しましょう

妊婦さんにとっても家族にとっても思い出に残る一日になるように、しっかりと準備をして安産祈願に行きましょう。

<参考資料>

・鎌田久子他(1990)「日本人の子産み・子育てーいま・むかし」勁草書房
・アカチャンホンポ 戌の日カレンダー https://www.akachan.jp/maternity/inunohicalendar/
・株式会社ベビーカレンダー https://corp.baby-calendar.jp
・Happy-Note.com https://www.happy-note.com/research/10767.html
・kosodate LIFE https://epark.jp/kosodate/enjoylife/k-pray-safe-delivery-fee_82273/

 

よくある質問

[質問]安産祈願はいついくものですか?
[回答]戌の日やお日柄にとらわれず、妊婦さんの体調に合わせて行きましょう
[質問]戌の日とはなんですか?
[回答]戌の日に安産祈願をすることで、多産で安産な戌にあやかろうと始まった江戸時代からの風習
[質問]安産祈願は誰と行くものですか?
[回答]ご夫婦で行く方が多数ですが、家族で行く場合もあります。

 

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