産泰神社 安産祈願

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このはな手帖

【保存版】お宮参りはいつ行く?お宮参りの日取りの決め方、失敗しないお宮参りを解説

【保存版】お宮参りはいつ行く?お宮参りの日取りの決め方、失敗しないお宮参りを解説

日本には、子どもの成長と健康を願う行事が数多くありますが、お宮参りもそのうちの1つです。
「初宮参り(はつみやまいり)」「初宮詣(はつみやもうで)」ともいいます。

お宮参りは、一般的には赤ちゃんが生まれておおよそ1ヶ月で行う行事とされています。しかし、生後一ヶ月の時期は赤ちゃんもお母さんも多忙な時期です。
そのため

「必ず1ヶ月に行かなきゃいけないの?」

「別の日じゃダメなの?」

「期限ってあるの?」

というお母さんもいるかと思います。

ここでは、失敗しないお宮参りをする時期の決め方やルール、当日の準備や由来まで解説していきます。

お宮参りはお父さんお母さんだけでなく、両家の祖父母をはじめ親戚みんなが楽しみにしている行事です。家族のよい思い出となるよう、しっかり準備して臨みましょう。

INDEX

1. お宮参りとは?

お宮参りの祝着

 1-1. 赤ちゃんの成長を祈る儀式

お宮参りとは、赤ちゃんが無事に誕生したことを神様に報告し、これからの健やかな成長を祈る行事です。赤ちゃんが生まれてから、おおよそ1ヶ月前後に神社へお参りをします。

鎌倉・室町時代から行われていた風習であり、生まれて最初の人生儀礼として、古くから大切にされてきました。

 1-2. 昔は地域の一員になるための儀式

お宮参りはもともと、土地の神様にご挨拶をし、その地域の一員になる「氏子入り」をする儀礼でした。
「氏子入り」とは、その土地の神様を信仰する「氏子(うじこ)」の一員になるという意味です。

お宮参りは、赤ちゃんが生まれた土地の神社にお参りをすることで、周囲の人々に仲間として認めてもらうための、地域の儀式でした。

 1-3. 現代では神社でのお参りと食事会

現代のお宮参りは、難しい決まりはありません。
赤ちゃんのお祝いとして神社でご祈祷を受け、家族で記念撮影や食事会などを行います。

ただし、地域によっては細かいしきたりや風習がある場合もありますので、気になる人は事前に確認しましょう。

 1-4. 百日祝い(お食い初め)とは

お宮参りと混合しやすいのが、生まれて100日目に行う「百日祝い(お食い初め)」です。
百日祝いとは、生後100日目に家族でお祝いの食事会を行い、赤ちゃんにご飯を食べさせるしぐさをします。これは、赤ちゃんが一生食べ物に困ることの無いようにとの願いが込められています。

最近では、お宮参りと百日祝いを同じ日に行うこともあります。

2. お宮参りはいついくの?

 2-1. 伝統的には男の子は31日目、女の子は33日目

お宮参りをする日は、一般的には男の子は31日目、女の子は33日目といわれています。
これは、生まれた赤ちゃんの忌(いみ:俗世間のけがれに触れないように過ごす神聖な期間)があけるのが生後33日目といわれているためです。

そのため地域によって多少の差はありますが、生まれてから30日前後でお宮参りをするのが一般的です。

 2-2. 日程はいつでもOK

お宮参りは、必ずしも生後30日前後に行かなければならないものではありません。あくまで風習であり、地域によっても異なります。

生後30日前後ですと、赤ちゃんとお母さんの体調もまだ万全ではありません。赤ちゃんの生まれた時期が暑い時期や寒い時期ですと、お出かけするのも難しい場合もあるでしょう。

赤ちゃんとお母さんの体調や気候、家族の予定などに合わせて都合のいい時期にお参りするようにしましょう。

お宮参りにいつ行きましたか?

(出典:Happy-Note.com 「お宮参りに行きましたか?」)

 2-3. 寒い時期や暑い時期は避けましょう

お宮参りは、真夏の暑い時期や真冬の時期は避けた方が無難です。

生まれたばかりの赤ちゃんは体温調節が難しく、暑さ寒さの厳しい季節は赤ちゃんの体にとって大きな負担です。時期をずらして外出しやすい気候の日にお宮参りに行きましょう。

 2-4. 六曜はこだわらなくて大丈夫

六曜とは、日にちを先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種類に分けて吉凶を占う、日本でも有名な考え方です。

しかし、お宮参りの日取り決めにおいて、六曜にこだわる必要はありません。六曜はあくまで俗信ですので、赤ちゃんと家族の都合で決めましょう。一緒に行く家族の中に気にする人がいた場合は、多少考慮にいれてもよいくらいに考えましょう。

六曜の説明

 2-5. 百日祝いを一緒にする場合も

お宮参りを百日祝いにあわせて一緒に行う場合もあります。

百日祝いとは、生まれてから100日を迎えるころ、赤ちゃんが生涯食べ物に困らないよう願いを込めて行う儀式です。神社でお宮参りをした後、自宅やホテルのレストラン、和食の料亭などで100日祝いを行います。

生後100日にもなると赤ちゃんの体調も安定してくるため、100日を目安にお宮参りをする方も多くいます。

 2-6. 地域によってはしきたりがあります

お宮参りの日取りは、地域によって多少異なります。

北海道や東北地方では寒さの厳しい時期にはお宮参りを見合わせ、暖かい時期に行う風習があります。東北では50日目前後でお宮参りを行う地域や、京都では赤ちゃんのお宮参りを早くにすると嫁入りが早くなると言われているなど、地域特有の風習が各地にあります。
自分の地域に特別な風習があるか気になる人は、祖父母や親戚に聞いてみましょう。

 2-7. お宮参りに期限はありません

お宮参りに期限はありません。
30日から100日前後までに行うのが一般的ですが、赤ちゃんや家族の都合で時期をずらしてお宮参りをしても大丈夫です。

暑い時期や寒い時期は無理をせず、時期をずらして体の負担にならないようお宮参りに行きましょう

3. お宮参りはどこの神社にお参りに行く?

神社の屋根と青空

 3-1. 有名な神社や思い入れのある神社へ行く人が主流

昔は、お宮参りは赤ちゃんが自分の住む土地の神様にご挨拶をし、その地域に住む一員になるための儀式であったため、自分の住む土地の神様である氏神神社にお参りをしていました。

しかし現在では、安産祈願を受けた思い入れのある神社や有名な神社にお参りする人が主流になっています。
ただし、長時間の移動は赤ちゃんにとっても負担ですので、赤ちゃんとお母さんの体調を考慮して神社を選ぶようにしましょう。

 3-2. 予約の要否に注意

ほとんどの神社では当日の受付でご祈祷を受けることが出来ますが、神社によっては予約が必要な場合もあります。

お宮参りに行く神社が決まったら、ご祈祷の予約の要否を事前に確認しましょう。

 3-3. 初穂料は事前に準備を

初穂料とは、お宮参りのご祈祷を受ける際に神社に納めるお金のことをいいます。
初穂料はそのまま神社で納めても大丈夫ですが、のし袋に入れて納めるとより丁寧な納め方になります。初穂料の金額は神社によって決まっているので、あらかじめ調べて準備しておくと、当日慌てることなく納めることが出来ます。

>>>初穂料に関する記事はこちらもご覧ください。
【神職が画像で紹介】初穂料はどんな封筒に入れる?書き方やお金の入れ方、神社での渡し方まで解説

 3-4. お神札やお守りは1年が目安

お宮参りをはじめ、神社で受けたお神札やお守りは一年を目安に神社にお戻ししましょう。
お神札・お守りを受けた神社に戻すのが一番ですが、遠方や里帰り先でお宮参りを行った場合は近所の神社で納めても大丈夫です。

赤ちゃんの成長を見守っていてくれたことに感謝して、神社に納めましょう。

4. お宮参りは誰と行く?

 4-1. 昔は赤ちゃんと父親、父親の祖父母

昔は、赤ちゃんと父親、父方の祖父母でお宮参りに行くというしきたりがありました。

これは子どもの忌(いみ:俗世間のけがれに触れないようにする特別神聖な期間)が30日前後で明けるのに対して、母親の忌は75日と言われていたため、まだ忌の期間である母親は神社にお参りに行くことが出来なかったため、父親とその祖父母がお宮参りをしていました。

 4-2. 現在は家族みんなでのお参りが主流

現在は、赤ちゃん、両親、両家の祖父母と家族みんなでお参りをするのが主流になってきています。

赤ちゃんのお祝いは両親だけでなく、両家の祖父母にとっても嬉しいお祝いの行事です。祖父母とも事前によく相談のうえ、お宮参りの計画をたてましょう。

お宮参りは誰と行きましたか?

(出典:Happy-Note.com 「お宮参りに誰と行きましたか?」)

 4-3. ご夫婦と赤ちゃんでのお参りでも

もちろん、ご夫婦と赤ちゃんとでお宮参りをしても問題ありません。祖父母が遠方に住んでいる場合など、一緒にお参りに行くのが困難な場合はご夫婦と赤ちゃんでお宮参りに行きましょう。

しかし、祖父母にとってかわいい孫のお宮参りは、多少無理をしてでも一緒に行きたい行事です。祖父母には事前に連絡をし、どうしても来れない場合はお宮参りの記念写真をプレゼントするなどしましょう。

 4-4. 祝着を付けるのは母親もしくは祖母

昔のしきたりでは、赤ちゃんのお母さんがお宮参りに行くことができなかったため、父方の祖母や乳母が祝着をつけ、赤ちゃんを抱っこしていました。

しかし現在はそういったしきたりも少なくなっているため、お母さんや母方の祖母が祝着をつけて赤ちゃんを抱っこをしても問題ありません。
赤ちゃんの抱っこはみんながしたいものです。神社に行って揉めることの無いよう、誰が抱っこをするか事前に決めておくとよいでしょう。

5. お宮参りの赤ちゃんの服装は?

 5-1. 白羽二重かベビードレスに祝着が主流

お祝い着を着る母と子

お宮参りの主役である赤ちゃんの正装は、内着である白羽二重の上に、祝い着(いわいぎ)を羽織るのが正式な衣装です。
最近では、白羽二重ではなく、着脱が簡単なベビードレスを着ることもあります。

祝着は、男の子は「熨斗目(のしめ)模様」女の子は「友禅模様」があしらわれたものを選びましょう。
祝い着は、フォトスタジオで記念撮影をする場合レンタルできることもありますが、WEBでレンタルすることも出来ます。

🛒お宮参りの産着・祝い着レンタル|京都きもの夢館
🛒お宮参り産着(男児用・女児用)|晴れ着の丸昌

 5-2. 父親はスーツ、母親は訪問着やワンピース

お父さんや祖父はダークカラーのスーツ、お母さんは訪問着やワンピースがおすすめです。お母さんは、まだ体も万全の状態ではありませんので、無理のない服装でお参りに行きましょう。

祖母は略礼装着かセレモニースーツがよいでしょう。付き添いの兄弟姉妹は、落ち着いた色合いのお出かけ着で大丈夫です。

>>>お宮参りの服装に関する記事はこちらもご覧ください。
【神職がお答えします】お宮参りに行く服装選びのポイントを人物別にご紹介!

 5-3. きれいめな普段着でも大丈夫です

お宮参りの服装は厳格なルールがあるわけではないため、もちろん普段着でも問題ありません。

特に赤ちゃんは機嫌や体調を優先し、無理に正装を準備しなくても大丈夫です。家族の方も、短パンやサンダルなどのカジュアルすぎる服装を避ければ、普段着で大丈夫です。

ただし、お宮参りは家族の写真を撮る絶好の機会ですので、きれいめな服装を心掛けるのがおすすめです。

6. 記念撮影はどうする?

お宮参り・記念撮影

お宮参りの記念撮影は、自分たちのスマートフォンやカメラで撮影するのはもちろんですが、プロのカメラマンにお願いする方法もあります。

プロのカメラマンにお願いをする場合は、スタジオで記念撮影をする方法と、お宮参りをした神社で出張カメラマンに撮影してもらう方法があります。

 6-1. スタジオで撮影する場合

スタジオでの撮影は天候や気温に左右されないため、赤ちゃんにとって居心地よく撮影をすることが出来ます。

また大手のフォトスタジオになると、スタジオでの撮影だけでなく、神社にお参りする際に祝着のレンタルができるセットプランが用意されていることがあります。セットプランを利用することで、お父さんとお母さんの負担を減らすことが出来ます。

  6-1-1. 別日に撮影する場合も

スタジオでの撮影ならば、お宮参りの当日でなく別日に撮影することも出来ます。

記念撮影を別日にすることで、赤ちゃんやお母さんの体調の負担を減らせるだけでなく、お宮参り当日のスケジュールも余裕を持つことが出来ます。

 6-2. 出張カメラマンに来てもらう

お宮参り当日、出張カメラマンに神社に来てもらい記念撮影をしてもらうのも選択肢の一つです。スタジオとは異なり、お参りをする赤ちゃんや家族の自然な写真を残すことが出来ます。

ただし、神社によっては出張カメラマンの撮影が出来ない神社もありますので、事前に確認しましょう。

 6-3. 自分たちで撮影

最近の高機能なスマートフォンやカメラは、プロのテクニックが無くてもきれいに撮れます。そのためご自身で撮影してしまうのも一つの手です。

お宮参りの記念撮影は家族での集合写真がメインですので、近くにいる人に撮ってもらうなど工夫をしましょう。

7. お宮参りの後の食事会は?

お食い初め膳

7-1. 赤ちゃんとお母さんの体調にあわせて

お宮参りの食事会は必ずしも必須のものではありませんが、赤ちゃんのお祝いに合わせて両家で祝い膳を囲み、親睦を深めるなどの目的で行うこともあります。

また、百日祝いにあわせて、お宮参り後の食事会でお食い初めの儀式を行う場合もあります。

ですが、長時間の外出になってしまうと赤ちゃんも疲れてしまいますので、無理に行う必要はありません。赤ちゃんとお母さんの体調に合わせて決めましょう。

8. お宮参りの持ち物をチェック

お宮参りをする生後1ヶ月前後は、赤ちゃんがやっと外出できるようになる時期です。安心してお宮参りに行けるよう、必要な持ち物をしっかり準備しましょう。

持ち物チェックリスト

おむつやタオルは常用しているものを持っていきましょう。神社によってはおむつを替える場所がない場合がありますので、事前に確認をしましょう。また、おむつ替えで出たごみは必ず持ち帰るようにしましょう。

授乳室が無い場合は授乳ケープをもっていくと安心です。神社にお湯が無い場合もあるので、あらかじめ魔法瓶に準備しておきましょう。

赤ちゃんは気温の変化にも敏感です。また、神社では冷暖房が完備されていない場合もあります。
暑い時期には日傘や赤ちゃんの着替え、寒い時期ではブランケットを用意するなど、季節に合わせた準備を心掛けましょう。

9. まとめ

いかがでしたでしょうか。お宮参りは神社で行う古来からの伝統的な儀式ですが、現在はそこまで厳しい決まりがあるわけではありません。ポイントをまとめると

・お宮参りは赤ちゃん誕生の報告とこれからの成長を祈り神社で行う儀式

・日取りは赤ちゃんとお母さんの体調を一番に、いつでも大丈夫

・最近は家族みんなでお宮参りに行くのが主流

・服装はきれいめを心掛けましょう

・記念撮影はカメラマンにお願いしても自分で撮影してもOK

・季節に合わせた持ち物を準備しましょう

です。

お宮参りは出産して間もない時期に行う行事で、なにかとドタバタしがちです。ポイントを押さえて、赤ちゃんとお母さんに負担のかからないよう計画を立てましょう。

お宮参りは家族はもちろん、祖父母や親戚もお祝いしたい気持ちでいっぱいのはず。
家族みんなの良い思い出になるようしっかり準備して臨みましょう。

 

<参考資料>

・高島易断所本部編纂(2022)「こよみを使って年中行事を楽しむ本2023」東京神宮館

スタジオアリス写真撮影ならこども写真館|写真スタジオ・フォトスタジオ (studio-alice.co.jp)

ユニ・チャーム お宮参りはいつ行く?かかるお金の相場や準備について解説!

FUNmily by fotowa 【体験談あり】お宮参りはいつが正解?生後1ヶ月目以降にずらすときの注意点

Happy-Note.com

よくある質問

[質問]お宮参りはいつ行くものですか?
[回答]一般的には男の子は31日目、女の子は33日目と言われていますが、赤ちゃんとお母さんの都合に合わせて行きましょう
[質問]お宮参りは大安に行った方がよいですか?
[回答]お宮参りは六曜にもこだわる必要はありません。
[質問]赤ちゃんは誰が抱っこするものですか?
[回答]母親か祖母が抱っこしましょう。

 

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