公開日:令和4年8月1日
更新日:令和5年6月1日
INDEX
1. お宮参りとは?
1-1. 赤ちゃんのこれからの成長を祈る儀式
お宮参りとは、赤ちゃんが無事に誕生したことを神様に報告し、これからの健やかな成長を祈る行事です。
鎌倉・室町時代から行われていた風習であり、生まれて最初の人生儀礼として、古くから大切にされてきました。
1-2. 神社でのお参りと、記念撮影や食事会を行う
お宮参りは、神社でお参りをし、家族で記念写真の撮影や食事会などを行います。
ですが、記念撮影や食事会は必須のものではなく、当日は神社でのお参りを行い、記念撮影や食事会は日を改めて行う人もいます。
1-2-1. 昔は地域の一員になるための儀式
現代のお宮参りは難しい決まりはありませんが、かつてのお宮参りは、族だけでなく地域を挙げての行事でした。
お宮参りは、赤ちゃんが生まれた土地の神様にご挨拶をし、土地の神様を信仰する「氏子(うじこ)」として、その地域の一員になることを認めてもらう儀式でした。
地域によっては当時の名残で地域特有のしきたりがある地域もありますので、気になる人は一度確認してみましょう。
2. お宮参りはいついく?
2-1. 生まれてからおおよそ1ヶ月
お宮参りは、赤ちゃんが生まれてからおおよそ1ヶ月で行う行事です。
アンケートでも生後1ヶ月ほどの時期に行っている人が最も多い割合を占めています。
(出典:Happy-Note.com 「お宮参りに行きましたか?」)
しかし、1ヶ月という期間はあくまで風習であり、必ずしもその時期に行かなければならないわけではありません。
生後1か月の時期は、まだ赤ちゃんもお母さんも万全ではありません。
赤ちゃんとお母さんの体調に合わせて無理の無いように行くようにしましょう。
2-2. 時期はずらしても大丈夫
お宮参りを行う生後1ヶ月のころは、何かとドタバタする時期です。
また、赤ちゃんとお母さんの体調も万全ではありません。
その場合は、時期をずらしてお宮参りをしても、問題ありません。
赤ちゃんは外出するだけでも大変です。
中には1歳を迎えてからお宮参りを行う人もいるので、あかちゃんとお母さんの体調が万全の時期に行いましょう。
2-2-1.暑い時期・寒い時期は要注意
夏の暑い季節や、冬の寒い季節に生まれた赤ちゃんは、無理をせず気候が安定する季節を待ってお宮参りに行きましょう。
赤ちゃんは気温の変化に敏感です。
無理して体調を崩すことの無いように心がけましょう。
2-2-2. 六曜は気にする必要ない
「大安」や「仏滅」などを六曜といいます。
六曜は、中国から伝わった暦(こよみ)のひとつで、一日一日を「大安」や「仏滅」などの6種類に分類し、吉凶を占う考え方です。
現在でも「大安」は縁起が良い日、「仏滅」は縁起が悪い日と聞いたことがあると思います。
しかし、六曜はあくまで俗説であり、神社とは関係のない考え方です。
そのため、お宮参りなどの神社へのお参りの予定を立てる際は、気にする必要はありません。
一緒にお宮参りに行く家族の中で気にする人がいたら、参考にする程度でよいでしょう。
2-3. 伝統的には男の子は31日目、女の子は33日目
お宮参りは伝統的には、男の子は31日目、女の子は33日目に行うとされていました。
これは、生まれた赤ちゃんの忌(いみ:俗世間のけがれに触れないように過ごす神聖な期間)が生後33日目に明ける、といわれていたためです。
日数については、地域によって多少異なるので、気になる人は両親に聞いてみましょう。
2-3-1. 日数の数え方は?
正式に数える場合は「生まれた日を1日目」として数えます。
赤ちゃんの誕生日を含めて、男の子は生後31日、女の子は生後33日の日に行います。
2-3-2. お宮参りに期限はありません
お宮参りに期限はありません。
お宮参りは、これからの子供の成長を神様に祈る行事ですので、遅すぎるということはありません。
家族の都合に合わせて、予定を立てて大丈夫です。
2-4. 百日祝い(お食い初め)と時期をあわせて行ってもよい
お宮参りを百日祝い(お食い初め)とあわせて行っても大丈夫です。
百日祝いとは、赤ちゃんが生まれて100日の時期に、「一生食べるものに困らないように」との願いを込めて行う行事です。
生後100日にもなると、赤ちゃんもお母さんも体調が安定してくるので、余裕をもってお宮参りをすることが出来ます。
3. 2023年大安カレンダー
3-1. 2023年大安カレンダー
2023年の大安の日の一覧です。
一般に吉日とは、六曜の大安に当たる日とされています。
2023年 大安一覧
6月 | 2日(金)、8日(木)、14日(水)、18日(日)、24日(土)、30日(金) |
7月 | 6日(木)、12日(水)、23日(日)、29日(土) |
8月 | 4日(金)、10日(木)、20日(日)、26日(土) |
9月 | 1日(金)、7日(木)、13日(水)、18日(月・祝)、24日(日)、30日(土) |
10月 | 6日(金)、12日(木)、17日(火)、23日(月)、29日(日) |
11月 | 4日(土)、10日(金)、14日(火)、20日(月)、26日(日) |
12月 | 2日(土)、8日(金)、13日(水)、19日(火)、25日(月)、31日(日) |
しかし、お宮参りの日程を決める際は、吉日にこだわる必要はありません。
もちろん仏滅にお宮参りをしても問題ありません。
赤ちゃんの体調や気候によって、お参りしやすい日を選ぶことが大切です。
吉日かどうかは、あくまで参考程度に考えましょう。
>>> いつが大安か知りたい方は、こちらをご覧ください。 【2023年大安カレンダー掲載】大安とは?大安の意味や由来は?六曜に関する疑問を解説 | 産泰神社 安産祈願 |
4. お宮参りの予算は?
4-1. お宮参り関連にかかる総額は50,000円~80,000円
お宮参りでは
◆神社での初穂料(祈祷料)
◆お祝い着と記念撮影代
◆食事代
が費用としてかかりますが、おおよその総額予算は、50,000円~80,000円程が相場です。
しかし、お宮参りの中心行事である神社での初穂料以外は、必ずしも必須のものではありません。
お祝い着ではなく、お出かけ用の衣装でお宮参りを行っても大丈夫ですし、記念撮影は自分のスマートフォンを使っても問題ありません。
予算と相談をして、お宮参りの計画を立てましょう。
4-1-1. 初穂料の相場
ご祈祷を受ける際に神社に納めるお金のことを、初穂料(はつほりょう)といいます。
神社によっても異なりますが、お宮参りの初穂料はおおよそ5,000円~10,000円ほどが相場です。
神社によっていただけるお神札や縁起物は異なるので、参考にしてみるのもよいでしょう。
4-1-2. お祝い着の相場
お宮参りでは赤ちゃんにお祝い着(産着・のしめ)を着せて、神社にお参りに行きます。
お祝い着は購入することも出来ますが、WEB上でレンタルすることも出来ます。
お祝い着レンタルの相場はおおよそ5,000円~20,000円です。
お祝い着と一緒に、よだれ掛けなど一緒にレンタルできるプランもあります。
【参考】
◇着物レンタリエ
◇着物レンタル京都かしきもの
◇京都きくやネット
◇晴れ着の丸昌
4-1-3. 記念撮影の相場
お宮参りの記念撮影をする場合、スタジオでの撮影、もしくは出張カメラマンに神社に来てもらう方法があります。
枚数にもよりますが、おおよそ20,000円~30,000が相場のようです。
4-1-4. 食事会の相場
食事会はおおよそ一人3,000円~5,000円程度が一般的です。
お宮参りの主役である赤ちゃんは、まだ生後間もない時期ですので、外食ではなく家で食事会を行っても良いでしょう。
レストランや料亭によっては、お宮参り専用のメニューがある場合もあります。
また、外食する場合でも、赤ちゃんとお母さんの体調を第一に、長時間の会食は避けましょう。
4-2. 費用の負担は両親が多数
(出典:precieux studio|お宮参りに必要なお金はいくら?誰が出す?気になる費用&相場を知ろう)
お宮参りの費用の負担は、赤ちゃんのお父さんとお母さんが負担するのが一般的です。
しかし、初穂料をはじめ、誰が負担しなければならないという決まりはありません。
祖父母が用意してくれた場合は、素直に甘えてしまっても良いでしょう。
5. お宮参りは誰といく?
(出典:Happy-Note.com 「お宮参りに誰と行きましたか?」)
5-1. 誰と行っても大丈夫
お宮参りは、誰と行かなければならないという決まりはありません。
しかし、当日の持ち物の準備や、急に体調を崩した時のことを考え、いざという時に頼れる人と一緒に行くと安心です。
5-1-1. 家族揃って行くのが主流
赤ちゃんのお宮参りは、両家の祖父母もお祝いをしたいもの。
お宮参りが決まったら、是非両家の祖父母にも相談してみましょう。
赤ちゃんに慣れている祖父母は、お宮参り当日も心強い味方になってくれるでしょう。
5-1-2. 親子でのお参りもOK
もちろん親子でのお宮参りも大丈夫。
しかし、かわいい孫のお宮参りは、祖父母にとっては多少無理をしてでも一緒に行きたい行事です。
祖父母には事前に連絡をし、後日お宮参りの記念写真をプレゼントすると喜ばれますよ。
5-2. 昔はお父さん、お父さん方の祖父母と一緒に
昔は、赤ちゃんとお父さん、お父さん方の祖父母でお宮参りに行くというしきたりがありました。
これは赤ちゃんの忌(いみ:俗世間のけがれに触れないようにする神聖な期間)が30日前後で明けるのに対して、出産をしたお母さんの忌は75日といわれていたことによります。
出産直後のお母さんは神社にお参りに行くことが出来なかったため、お父さんとお父さん方の祖父母がお宮参りをしていました。
お宮参りの際、お父さん方の祖母が赤ちゃんを抱っこするという風習はこのことが起源となっています。
6. お宮参りはどこに行く?神社に行く準備は?
6-1. 思い入れのある神社・有名な神社へ行く人が主流
昔のお宮参りは、赤ちゃんが土地の神様にご挨拶をする儀式であったため、地域の神社にお参りをしていました。
現在では、安産祈願を受けた思い入れのある神社や、有名な神社にお参りすることが主流になっています。
6-2. 予約が必要か確認
多くの場合、当日の受付でお宮参りのご祈祷を受けることが出来ますが、神社によっては予約が必要な場合もあります。
お宮参りに行く神社が決まったら、ご祈祷の予約の要否を事前に確認しましょう。
6-3. お宮参りの受付をしましょう
お宮参りの受付は、神社の受付所や社務所で申込書を記入します。
受付の方法は神社によって異なりますので、わからないことがあったら神社の人に聞いてみましょう。
6-4. 初穂料は事前に準備しましょう
初穂料とは、お宮参りのご祈祷を受ける際に神社に納めるお金のことをいいます。
初穂料はそのまま現金で納めても大丈夫ですが、のし袋に入れて納めるとより丁寧な納め方になります。
初穂料の金額は神社によって決まっているので、あらかじめ調べて準備しておくと、当日慌てることなく納めることが出来ますよ。
>>>初穂料について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。 【神職が画像で紹介】初穂料はどんな封筒に入れる?書き方やお金の入れ方、神社での渡し方まで解説 |
6-5. 赤ちゃんを抱っこするのはお母さん・おばあちゃん
お宮参りの際、赤ちゃんを抱っこするのは誰でも大丈夫ですが、お祝い着を付ける場合は女性が赤ちゃんを抱っこするのが一般的です。
これは、昔のお宮参りではお父さん方の祖母がお祝い着を付けて赤ちゃんを抱っこする風習があったことに由来します。
現在では誰が抱っこをする決まりはありませんが、お祝い着を付ける場合はお母さんかおばあちゃんが抱っこをするようにしましょう。
6-6. ご祈祷中、赤ちゃんが泣いても大丈夫
神社に行くときにどうしても気になるのが、静かなご祈祷中に赤ちゃんが泣いてしまうのでは、ということ。
ご祈祷中の神妙な雰囲気や、太鼓の音で泣いてしまうこともあると思います。
しかし、赤ちゃんが神様の前で泣くのはむしろ良いことだといわれています。
赤ちゃんが泣くことによって神様に顔を覚えてもらえる、といわれている地域もあります。
ですので、赤ちゃんが泣いてしまっても心配せず、安心してご祈祷を受けてくださいね。
7. お宮参りの服装は?
7-1. 赤ちゃんのお祝い着を準備しよう
お宮参りの主役である赤ちゃんは、内着である白羽二重の上に、お祝い着(おいわいぎ※産着、晴れ着ともいいます)を羽織るのが正式な衣装です。
最近では、白羽二重ではなく、着脱が簡単なベビードレスにお祝い着を着ることもあります。
お祝い着は店舗での購入のほか、フォトスタジオでのレンタルや、WEB上でレンタルすることも出来ます。
◇着物レンタリエ
◇着物レンタル京都かしきもの
◇京都きくやネット
◇お宮参り産着(男児用・女児用)|晴れ着の丸昌
7-2. お父さんはスーツ、お母さんは訪問着やワンピース
お父さんやおじいちゃんはダークカラーのスーツ、お母さんは訪問着やワンピースがおすすめです。
お母さんは、まだ体が万全の状態ではありませんので、無理のない服装でお参りに行きましょう。
おばあちゃんは略礼装着かセレモニースーツ、赤ちゃんの兄弟姉妹がいる場合は、落ち着いた色合いのお出かけ着で大丈夫です。
7-3. きれいめな普段着でも大丈夫
お宮参りの服装には厳格なルールがあるわけではないため、普段着でも問題ありません。
特に赤ちゃんは機嫌や体調を優先し、無理に正装を準備する必要はありません。
家族も、短パンやサンダルなどのカジュアルすぎる服装を避ければ、普段着で大丈夫です。
ただし、お宮参りは家族の写真が残る絶好の機会ですので、記念写真を撮るときは注意しましょう。
>>>お宮参りの服装に関する記事はこちらもご覧ください。 【神職がお答えします】お宮参りに行く服装選びのポイントを人物別にご紹介! |
8. 記念撮影と食事会をしましょう
お宮参りの記念撮影は、自分たちのスマートフォンやカメラで撮影するのはもちろんですが、プロのカメラマンにお願いする方法もあります。
プロのカメラマンにお願いをする場合は、スタジオで記念撮影をする方法と、出張カメラマンに神社で撮影してもらう方法があります。
8-1. スタジオで記念撮影
スタジオでの撮影は天候や気温に左右されないため、赤ちゃんにとっても居心地よく撮影をすることが出来ます。
また大手のフォトスタジオでは、神社にお参りする際にお祝い着のレンタルができる場合があります。
家族の衣装も全ておまかせできるプランもあるので、お父さんとお母さんの負担を減らすことが出来ます。
8-1-1. お宮参りと別日でもOK
スタジオでの撮影ならば、お宮参りの当日でなく別日に撮影することも出来ます。
記念撮影を別日にすることで、赤ちゃんやお母さんの体調の負担を減らせるだけでなく、お宮参り当日のスケジュールも余裕を持つことが出来ます。
8-2. 出張カメラマンに依頼
お宮参り当日、出張カメラマンに神社に来てもらい、記念撮影をしてもらうのも選択肢の一つです。
スタジオとは異なり、赤ちゃんや家族の自然な写真を残すことが出来ます。
ただし、神社によっては出張カメラマンの撮影が出来ない神社もありますので、事前に確認しましょう。
8-3. 自分たちで撮影
最近の高機能なスマートフォンやカメラは、プロのテクニックが無くてもきれいに撮れます。そのためご自身で撮影してしまうのも一つの手です。
集合写真を撮る場合は、近くにいる人に撮ってもらうなど工夫をしましょう。
8-4. 食事会は無理の無い範囲で
食事会は必須のものではありませんが、赤ちゃんのお祝いに合わせて両家で祝い膳を囲み、親睦を深めるなどの目的で行います。
ですが、長時間の外出になってしまうと赤ちゃんも疲れてしまいますので、無理に行う必要はありません。赤ちゃんとお母さんの体調に合わせて決めましょう。
9. 当日の持ち物チェック!
お宮参りのスケジュールが決まったら、当日トラブルが起きても対処できるように、事前にしっかり準備しましょう。
おむつ |
おむつ替えシート |
おしりふき |
ミルク |
授乳ケープ |
赤ちゃんの着替え |
よだれかけ |
帽子 |
タオル・ガーゼ |
その他防寒具など気温対策のグッズ |
10. まとめ
いかがでしたでしょうか。
お宮参りは日本の伝統的な行事ですが、難しい決まりはありません。
赤ちゃんとお母さんの体調を第一に、無理の無いようにお祝いをしましょう。
事前にしっかり準備をしておくことで、一生残る良い思い出にしてくださいね。
<参考資料>
・高島易断所本部編纂(2022)「こよみを使って年中行事を楽しむ本2023」東京神宮館
・ユニ・チャーム お宮参りはいつ行く?かかるお金の相場や準備について解説!
・FUNmily by fotowa 【体験談あり】お宮参りはいつが正解?生後1ヶ月目以降にずらすときの注意点
・Happy-Note.com
・precieux studio|お宮参りに必要なお金はいくら?誰が出す?気になる費用&相場を知ろう
よくある質問
[質問]お宮参りはいつ行くものですか? |
[回答]一般的には男の子は31日目、女の子は33日目と言われていますが、赤ちゃんとお母さんの体調に合わせて行きましょう |
[質問]お宮参りは大安に行った方がよいですか? |
[回答]お宮参りは六曜にこだわる必要はありません。 |
[質問]赤ちゃんは誰が抱っこするものですか? |
[回答]決まりはありませんが、お祝い着を付ける場合はお母さんかおばあちゃんが抱っこをしましょう。 |